購入翌日、ホームセンターのトラックが僕の家の前に停まり、スタイロフォームが届きました。定規やカッターを駆使して適度な大きさにカットしていきました。
そして両面テープを使ってタンスの内側へと張り付けて固定していきました。この段階で忘れてはならいのは、ブース内の電源確保です。最初の段階でコンセントを通しておかないと後で大変なことになります。
小さい穴をタンスの背面に開けて、そこからコードを通しました。無駄なすき間は作りたくないのでコンセントの頭の部分はいったんドライバーで分解してコードを内部に通した後に、改めてネジを回して元通りにしました。 中にはとりあえずソケット(¥580)&裸電球(¥150)をセッティングして明かりを確保しました。
いよいよ六面全部にスタイロフォームを貼り終わり、形になりました。MTRを接続したギターアンプを中に入れて、MTRのプレイボタンを押し、ボリュームを上げて音をガーン!と爆音状態にして出してみました。そして扉を閉じました。
”さあ、いよいよ感動の防音効果が!!”
と思ったのですが・・・あれれ?なんか思った程効果無いなあ・・・。確かにエコーボックス状態からは脱しているし、やや音も小さくなっているのですが、「防音ブース」と名付けるにはあまりに貧弱な効果でした。ためしに、そのままの状態で部屋から屋外へ出て確認してみたのですが、実によく聞こえます。
”うっ、これでは使い物にならないではないか!!”
そう、僕の計画は失敗だったことが分かりました。落ち込みました。
”こんなでかいタンスなんか、どーすんだよぉ!”
そしてこんなことに2万円以上もかけてしまった自分を悔やみました。
”そうだ、もうこれは食料貯蔵庫にしよう。缶詰めだったら20ケースも入るさ、ははは。”
などと考えれば考えるほど空しくなりました。その日はもう眠りに着きました。きっと、その夜の僕は夢の中で怒り散らして恥ずかしい寝言をたくさん言っていたに違いありません。寒さも日に日に増してゆく11月29日の夜のことでした。