僕は某大手レンタルビデオチェーンに勤めた経験があるのですが、 そこで気がついたことは、 世の中のリスナーの大半の人は”流行っているから””テレビで流れているから”という姿勢で音楽を聴くということです。 具体的言うと、CDシングルチャートの1位から10位をザッとカゴに詰め込んで、 一週間レンタルというような聞き方です。 ドラゴンアッシュもグレイも、福山もサザンも浜崎もモー娘もひとまとめ。 ま、一般の人は仕方ないと思いますが、自ら音楽を志す者が同様の姿勢でいいんでしょうか?もちろん、現在流行っているものを敏感に捉えるということは必要でしょうが、 ”流行りものだけ”という姿勢は危険です。どうしてって!?だって今流行っているものは、後は衰退していくだけですよ。それを真似していたって仕方ないでしょ?それから例えば、”ラルクしか聴きません!”とか、”椎名林檎以外は音楽じゃないわよ。”という人もいます。 単なる”ファン”ならば良いですが、自らアーティストとして活動しようという人がそれではちょっと困る気がします。 そのままではどうしたって”ラルクのコピー””ニセ椎名林檎”にしかなれないでしょ? いろいろな音楽に親しんでその中で、 自分なりの基準を作りあげて冷静に分析するということができない人は、 創作という面では、 よほどの天才で無い限りいろいろな面でこの先厳しくなっていく気がします。 (ビートルズもストーンズも大のレコードマニアだったのですから。)
と、少しきつい言葉になっていますが、 これは自分自身への戒めでもあります。 僕は、”ただ、なーんとなく聴くだけ”という状態に自分が陥らないように、 メールマガジンを発行して、 毎週1枚ずつ自分の感性にひっかかった作品について、どこがどんな風に良かったのかを、キチンと言葉にしてまとめて表現するようにしました。 意外とこれは勉強になりましたよ。
それから、地上波のテレビや、お店のBGMなどで流されているもの「だけ」を、「受け身の」形だけで音楽を聴くのも危険なことです。それではいつまでたっても「一般人」の聴き方に終ります。もちろん世間でどういったものが流行しているのかを知るのはいいでしょう。でも、あなたは新しい何かを生み出すべき立場の人であるはずです。ちょっと違う方向から音楽に親しんでみる必要があると思います。 僕はここ数年に渡って「Sky Perfec TV」に加入しています。衛星放送って高いのではないかという先入観があったのですが、高いのはBSで、スカパー!のようなCS放送は意外と安くてコストパフォーマンスもよいと思ってます。インディーズアーティスト、昔の洋楽や、懐メロ、地上波では流されない大物アーティストの特別ライブ、多ジャンル・多チャンネルのデジタルラジオのようなコンテンツもあって、うまく使えばレンタルCDよりもお得かもしれないと思っています。時に意外な音楽との出会い等もあって刺激を受けています。
また、積極的にライブハウスなどに趣いて「生で」いろいろな音楽に触れることも大変勉強になります。とはいえ、「ライブハウスのチケット代が高くて…」という人もいるでしょう。確かに気持ちは分かります。でも、最近はライブハウスでも無料イベントが行なわれることも徐々に増えて来ていますし、無料の野外イベントなども、各地でいろいろと行なわれています。僕も学生の頃は積極的にそういったフリーイベントなどに行って、いろいろな音楽を肌で吸収して来ました。
こういったものを利用するのも面白いと思います。