〜あなたにも聴いてほしい名盤100〜


  1. TIM BUCKLEY/HONEYMAN
    ティムバックリーは4オクターブの奇跡の声を持った知る人ぞ知るシンガーソングライターです。 彼は、時期によってスタイルがかなり異なるので、どのアルバムを選ぼうか迷ったのですが、 彼の晩年(75年にヘロインとモルヒネ入りのカクテルを飲み干して他界)に当たる73年のライブアルバムを選びました。 この時期の彼は、もうアーティストとしては枯渇していた、などと 言われていましたが、このアルバムはいいです。 確かにそれ以前のアバンギャルドさはないんですが、逆に<聴ける>作品となっています。 中期の”HAPPY SAD"や”LORCA"なんかもいいんですが、 ちょっと重すぎて(僕が言うんだから相当なものだと思って下さい。) 、正直、全編通して聴くにはきつかったりします。 (トリップするために使うにはいいけど。) その点、このアルバムはバランスがいいです。 腐ってもバックリーで、決して去勢された音には、なっていません。 "PLEASANT STREET"なんかすげえ格好いいです。
  2. LLOYD COLE/LOVE STORY
    友達に、これ好きそうだからと貸してもらったアルバム。 ああ、そうさこういうの好きだよ。 もともとデビットボウイやT-REXが好きだった彼は、 そこからディランやルーリードを好むようになったそうで、 誰かさんと趣味も似ています。 僕が共感した部分はそういう音楽の好みにもかかわらず、 泥くさい方向に向かっていないところ。 アコースティックなサウンドにのせて、ひかえめだけど、色気のある声でうたっています。聴き込むたびに深みを感じます。 秋の夜長にピッタリの作品。
  3. BOB DYLAN/30TH ANIVERSERY CONCERT CEREBRATION
    ボブディランの30周年コンサートを収録した2枚組ライブアルバム。 ディランに関しては、他にもっと選ぶものあるだろ! なんて言われそうですが、ここではこれを推します。 ディランの場合、 そのロック史に与えた功績の大きさにもかかわらず、 ”名前は知っている。”とか”風に吹かれて、の人でしょ。” 程度の認識しかされていないのが現状です。 聴かず嫌いの人が多い気がします。 確かに初期なんて本当にうたとギターだけだし、 ダミ声だし、10分もある曲を平気でアルバムに入れたりで、 我慢不足な今どきの少年少女達には、少々荷が重いでしょう。 そんなあなたにこのアルバム。 様々なアーティストがディランの曲を分かりやすく、 格好よく演奏してくれています。 特にDISC2が充実しています。 ERIC CLAOTONによる”DON'T THINK TWICE, IT'S ALLRIGHT"なんて、”おいおい、この曲ってこんなに格好良かったっけ!?”と叫んでしまうほどです。このアルバムを聴いて”いい曲書くじゃんディランて”と思ってオリジナルアルバムを辿っていって欲しいです。
  4. BRUCE SPRINGSTEEN/BORN TO RUN
    ごめんね、こんな超定番選んでさあ、 ディランの次はブルースと思って考えたのがこの結果です。 このコーナーは”忘れられがちだけど、いい作品” に光をあてる目的もあるので、 そういう点では適切ではないんだけど。 "NEBRASKA"でも選んで、”さすが渋いねえ” と言われようかとも思ったんだけど、ダメだ! これしかない。 ”再生ボタンを押した瞬間から血が騒いで抑えられない”そんなアルバムはそうそう他にはないです。何度聴いてもそれは変わりません。 内容については”語る”という種類のものではないです。 というわけで聴いて”感じて”下さい。 (ちなみに、前に買った”トムジョード” のツアーのブートもよかったです。 アコギ一本での弾き語りツアーの音源です。 もう、オフィシャルでも聴けるはずだと思ったけど。)
  5. THE BEATLES/LIVE AT BBC
    もちろん言うまでもなく、 オリジナルアルバムは全部聴いた上で、 それ以外に何かあげるとしたらこれでしょう。 ビートルズについては、 いろんな人がいろんなところで語っていることでしょうから、 多くはふれません。 僕は初期のビートルズが一番好きです。 ”バカになってロックナンバーを叫んでいる”これが全ての原点だと思います。 特にこのころのジョンの声は最高です。 ちなみにオリジナルアルバムでは、 "A HARD DAYS NIGHT"が好きです。
  6. よしだたくろう/LIVE'73
    恐ろしいまでの豪華なバックミュージシャン達の、プロフェッショナルな完璧な演奏(高中正義のギター格好良すぎ)の中で、実に素人くさい、いい加減(?)な歌唱を聴かせるたくろうが、逆にその上をいく格好よさです。 どの曲もいいけど、”落陽”がいいです。 妙に日本的なリズムで刻まれるアコギと、 ヴァイオリン奏法(ボリューム操作でヴァイオリンのような音を出す) によるエレキがからむイントロに遠い記憶の何かを呼び起こされます。
  7. 岡林信康/見るまえに飛べ
    こんなの出していいの? 60年代末フォークの神様などと言われた ”山谷ブルース”の人のセカンドアルバムです。 ”おまわりさんに捧げる唄””性と文化の革命” ”私たちの望むものは”なんていう、 熱い時代ならではの楽曲と、 ”愛する人へ””自由への長い旅” などの時代を超越したテーマの曲が共存しています。 でも、どちらのうたにも共通しているのは、 そのピュアさです。 今の時代にだって、愛や自由についてのうたを、 ピュアな気持ちうたえるアーティストは存在しているけど、 政治や革命についてこれほどまでに、まっすぐな気持ちでうたえる人は、 もういないでしょう。 (いたとしても共感できるリスナーを獲得できない気がする。) それが故にこの作品は、貴重で、美しいです。 たとえ間違いや勘違いであっても、 それを確信として持ってしまった人間の持つ輝きに触れると、 僕は言葉を失ってしまいます。 ちなみにアナログではB面にあたるディスク後半の楽曲は、 ジャックスの早川義夫によるものを中心に構成されていて、 ロック色の強い仕上がりです。(現在この作品は廃盤のようですが、ライブアルバム「狂い咲き」でも当時の空気を知ることができます。
  8. サニーデイ・サービス/東京
    ”春!”というアルバムです。 僕らの世代が忘れていた(避けてきた?)表現方法を、現代に蘇らせた曽我部恵一のセンスと、その気持ちに、脱帽です。初めて彼らのうたを聴いたときに僕は、”えっ、それってありなの!?”と、思いました。 具体的には”ですます調の歌詞” ”生音中心のサウンド”というところ。 はっぴいえんどの真似と言えばそうだけど、 そんなことをやろうとすること事態がすごい。 このアルバム完成度は高いと思う。 何より聴いていて気持ちいいし。
    今や、 ”フォークはダサい!”と思っているのは、 実はオジサンだけです。 (ちょっといいすぎかな。) でも、このアルバム前と後ではあきらかに、 若い子(例えば、大学1年生で音楽サークルに入ってくる奴ら) のアコギやフォークに対する考え方が変わったと思う。 これは当時大学で新人勧誘をしていて僕自身が肌で感じたことです。
  9. OASIS/DEFINITELY MAYBE
    ”ロックンロールスター”からスタートするこのアルバムは、 ポップでロックな曲と、ラウドでノイジーなギターが印象的です。 初めてオアシスを聴いたのは、 レコファンだったかタイムだったか、 高田馬場の中古屋で流れていたんだけど、 妙に頭に残ってしまっていて、 家に帰ってからも気になってしまって結局、 しばらくして日雇いバイト(大理石をやすりでみがいた) の帰りにもらった給料をつぎこんで購入してしまったのでした。 コセコセ細かいことを抜きにして、やりたい音楽をバカになってやる!その結果生まれた曲は素晴らしいメロディーとパワーに溢れたものばかり。このあと彼らは2nd,3rdアルバムを出していくけど、僕は、このアルバムの”荒さ”が好きです。
  10. OCEAN COLOUR SCEAN/MOSELEY SHOALS
    デビューアルバムが不評に終わって、 経済的なピンチに陥っていた彼らが放った最高のロックアルバム。 ギタリストのスティーブは、 ポールウェラーのバンドで食いつなぎ腕をみがいたそうです。 たった16トラックのみしかないレコーディング環境で、 ここまでの作品を作ってくれたなんて! ”おいおいそれはストーンズだろ”なんて曲もあるけど、 いうなれば、”それまでのロックが築いてきた遺産をもっとも正しく継承した”と、 いうことができます。 ザクッとしたサウンドが気持ちいです。
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