〜あなたにも聴いてほしい名盤100〜

  1. THE WHO/WHO'S NEXT
    僕はもともとはキーボードをやっていたので、 結構シンセの音や使い方にはうるさいです。 このアルバムを聴いたときは驚きました。 今の時代では全く思い付かないようなシンセの使い方がされていたからです。 チープな音といえばそうなんだけど、 ループを使っていたりで、面白いです。 こんなふうに書くと、マニアなアルバムなのかと思われそうだけど、 決してそんなことはなくて実に生々しい臨場感があります。 モッズを語る上で必須の ”WON'T GET FOOLED AGAIN" (二度とコケにされてたまるか!、っていうやつ。) は、このアルバムのラストナンバーです。 とてもドラマチックで、 美しい曲が並んでいるアルバムです。 ”荒々しさ”と”知的さ”を両方兼ね備えているところが、 THE WHOの格好いいところだと思います。 そういう意味でこのアルバムはTHE WHOらしさが最も感じられます。
  2. BABY FACE/MTV UNPLUGGED NYC 1997
    実を言うと、ブラックコンテンポラリーというジャンルはあまり好きではないです。 今どきのリズムアレンジや”このシンセいい音するでしょ?” と言わんばかりのサウンドプロダクションが逆に息苦しさを感じさせて、 どうも楽しめません。 このアルバムはたまたまレコファンでSALE価格になっていて、 ”まあ、クラプトンも参加しているし聴いてやろうかな” と思って買ったら実にいいアルバムでした。 アンプラグドのライブということで、 機械くささがうすく、 ちゃんと空気感のある音で聴きやすかったです。 なんかリラックスして演奏を楽しんでいる感じがいいです。 いい曲がたくさん入っています。 息子が生まれくるその日をうたった "THE DAY"は感動しました。 その後オリジナルアルバムヴァージョンも聴いたけど、 アンプラグドの方がくるものがあったなあ。
  3. TRACY CHAPMAN/TRACY CHAPMAN
    心にしみます。淡々とギターを爪弾き、 湿り気のある声で人種差別、貧困、家庭内暴力といった、 黒人である彼女にとって極めて身近であったであろうテーマでうたっています。 そんな中でほんの何曲かだけ収録されているラブソングが説得力を持って響きます。 ギリギリの状況から生まれてくる本当のうたの力を感じます。
  4. CASSANDRA WILSON/NEW MOON DAUGHTER
    すき間だらけの最小限の楽器で構築された演奏をバックに、 うたうカサンドラの低い歌声がしみます。 独特のリズムとコード感で刻まれるアコギがいいです。 このアルバムには本当に特別な雰囲気が流れています。 ビリーホリデイで知られる”奇妙な果実”、 ニールヤングやモンキーズ、U2のカバーなどを含めて、 様々な曲をやっているのに、 完全にひとつの世界ができあがっています。 今でも聴く度に震えてしまいます。 ダークで神秘的で美しいアルバムです。 聴いたことのない方は是非聴いてみて下さい。 ジャズのコーナーに置かれていると思うけど、 ジャズを聴かない人でも楽しめるはずです。
  5. 渡辺美里/LOVIN' YOU
    "HERE""THERE"の2枚組みのアルバム”My Revolution"という、 名曲が収録されています。僕が中学の頃、 ラジオかなにかで初めて耳にして衝撃を受けました。 それからこのアルバムを持っていた友達からダビングしてもらって、 何度も聴きました。女性アーティストが1人称を”僕”、 2人称に”君”を使うのがなんか新鮮でした。 このアルバムでは、 たくさんのアーティストから楽曲の提供がされています。 (ちなみに”My Revolution"はあの小室哲哉の作曲です。) なかでも、岡村靖幸の作品が出色の出来です。 ”Long Night""19才の秘かな欲望””そして、 タイトル曲”Lovin' You"。 ”Lovin' You"は中学の頃よくピアノで弾いていました。 もう10年以上も前のアルバムなんですね。 今聴くとあの頃僕らの世代が持っていた空気感みたいなものが、 よみがえって来ます。 なんか意外と健全だったな。
  6. 岡村靖幸/DATE
    当時、和製プリンスなどと言われていました。 ちょっと危ないエッチな歌詞、歌唱。 そしてファンキーでポップな楽曲がそう呼ばせたのでしょう。 このアルバムはエッチ度、青春度のバランスのいい作品です。 なんといっても”イケナイコトカイ”が入っている点で、 このアルバムは選ばらざるをえません。 不健全きわまりないうたなのに、どうしてこんなに切ないんでしょう。 あとあまり目立たないけど、”不良少女”っていう曲が好きです。
  7. CAROLE KING/TAPESTRY(つづれおり)
    捨て曲一切なしの超名盤。 夫と、ゴフィン=キング名義で、 作家として活動しヒット曲を世に送り出していた彼女が、 ゴフィンと離婚後、”ライター”に続いて発表した作品。 彼女自身の弾くピアノを中心に組み立てられたサウンドにのせて、 ひとりの女性として地に足のついた歌声が響きます。 人生をつづれおる様々な糸をうたった詞、 そして高い音楽性は、 聴いている者を飽きさせることがありません。 聴き終わってからも、 思わずもう一度”PLAY"ボタンを押したくなります。
     "TAPESTRY"は71年の作品ですが、 彼女は今でも現役で活躍しています。 最近では、映画"YOU'VE GOT MAIL"のサウンドトラックでも、 "ANYONE AT ALL"を聴かせてくれました。
  8. music from motion picture "YOU'VE GOT MAIL"
    と、言うわけで、映画”ユー・ガット・メール”のサントラです。 実は映画は未見です。 しかしながら収録された曲のラインナップにひかれて手にしました。 ニルソン、ランディニューマン、ロイオービンソン、 クランベリーズ、シンニードオコナー、キャロルキング・・・と、 すごい人々が名をつらねています。 ディスクの内容はまさに”心温まる”という感じです。 ジャズやオールドロックの名曲と、 シンガーソングライター達の渋い楽曲が交錯する、 絶妙な選曲になっています。
  9. JACKSON BROWNE/LATE FOR THE SKY
    ピアノとアコギと、抑え気味のエレキギター。 優しく淡々とうたうボーカル。 遠く聴こえるオルガンの音。 ”また目が覚める もう偽りの心には耐え切れない” と、恋人とすれ違う孤独な心をうたうオープニングナンバー "LATE FOR THE SKY"。 車のドアの閉まる音とエンジン音が新たな旅立ちを暗示する "THE LATE SHOW"。 ふっきれたような軽快なロックナンバー "THE ROAD AND SKY"。 そして、優れた洞察力をもって、世界のあり様をつづる "BEFORE THE DELUGE"では聖書を思わせるほどの、 壮大な広がりが感じられます。
    個人の視点から普遍的なものを描くことができる、 そんなソングライターを僕は尊敬します。
  10. 浜田省吾/生まれたところを遠く離れて
    浜田省吾のデビューアルバム。 これが笑っちゃうくらいダサイ。 ”オイラは〜♪”などとやってます。 このアルバムを僕がはじめて聴いたのは高校生の頃。 彼がJボーイやFather's sunを出した頃でした。 それらのアルバムは当時の最新のサウンドで彩られた作品だったので、 この”生まれた・・”と聴いたときはショックでした。 生ギター、オルガンや、あまり歪んでないギター、 実にチンケな印象を持ちました。 ”こんなの借りて損した!” とさえ思いました。 でも、今になって聴き返すと、 最新鋭の音色を散りばめていた、 J ボーイやfather's sunのサウンドの方が逆に古臭く、 ”生まれた・・”のサウンドの方が新鮮に聴こえます。 それに、なにより、 このアルバムの曲たちの洗練されていないところが、 なぜか心に響きます。 今になって思うとこのアルバムは結構R&B色が強く、 ひょっとして、ブラック流行の今こそ再評価すべきかもしれません。
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