〜あなたにも聴いてほしい名盤100〜

  1. Mr.children/Atomic Heart
    僕は彼らの作るポップスが好きです。 逆に言うとあまり悲愴感の漂う曲は好きではないです。 なんだかだんだんとメッセージ色が強くなっていった感じがするけど、 僕は彼らにはそういうものは求めてなかったんだよな。 そっちの路線の方が好きって人も多いんだろうけど、 僕はメッセージ色の強いものをやっている時の彼らはあまりアーティストとしていきいきしているように思えなくてどうも見ていて切なくなってしまいます。 例えば、なんだかんだ言ってもディランとか平和活動中のジョンレノンなんかは、 歌のテーマはヘビーでも表現活動ということに限って言えば、 けっこういきいきとやっていた気がします。 そう、 ”いきいきと”ということでいうと、 やっぱり、 ”クロスロード””イノセントワールド”の入っているこのアルバムなのかな? と思います。
  2. 佐野元春/Heart Beat
    基本的に全部好きなのですが、 一枚あげるならこれかな? ”サムデイ” ”ナポレオンフィッシュと泳ぐ日”や、 ”フルーツ”なども落とせない気もするけど。 今でも”悲しきRadio”のイントロを聴くと、 どうにも切なくそして熱くなってしまいます。 今でも手に入るのかどうか知らないけど、 この時期のライブ映像が”Truth80〜84”というビデオに収録されているけど、これが、すごいすごいすごいすごい。 鳥肌たってしまいますね。 ”HeartBeat”のブルースハープソロなんか最高です。 今では、”いい味出してる人”になっているけど、 エッジのきいた感じの佐野元春は、 確かに日本のロックを変えたんだろうな、と思います。
  3. VAN MORRISON/ASTRAL WEEKS
    ヴァン・モリスンは北アイルランド出身で元ゼムのヴ ォーカリスト。この作品は、68年に発表されたもの 。この世で最もピュアなアルバムをあげよ、と言われ たら、まずこの作品が思いつきます。アコギ、ビブラ フォン、ウッドベース、フルートなどによるジャズミ ュージシャン達の即興的演奏。隠し味として加えられ るストリングスやホーンの響き。それらに合わせてう たうヴァン・モリスンのヒリヒリとした声が何とも言 えない独特の空間を作り出しています。同じ言葉を何 度も何度も繰り返すことにより得られる不思議な高揚 感がクセになります。そして、ビーチボーイズの名盤 ”ペットサウンズ”などとも共通する”少年時代から 大人への成長過程”というテーマ。このアルバムがた った2日で作られたというから驚きです。プレイボタ ンを押した時から47分間あなたの耳はあなたの体を 離れ、北アイルランドの神秘の森へと旅立つのです。
  4. THE BAND/NORTHERN LIGHTS,SOUTHERN CROSS
    ディランのバックなどでも知られるザ・バンドの75 年発表の傑作です。初めて、ザ・バンドの演奏を耳に した若かりし頃は、”なんとヘロヘロなバンドだ!” と、ショックを受けたのですが、今になってみるとや っぱりいいですね。現在の音楽シーンの派手なサウン ドに慣れた我々には、地味に聞こえてしまうのですが、 音楽そのものの良さはやっぱり時代を越えます。優し く包容力のある歌声、特に誰が突出したテクニックを ひけらかすわけでもなく、でもしっかりとつぼを押さ えたその演奏を聴くと、ロックバンドという形態を取 りながらも、様々な音楽を取り込んでいった彼らのす ごさが、ゆったりとした空気のむこうから伝わってき ます。"It makes no difference"を聴くといつも何 かがこみあげてきます。ちなみに、彼らの解散コンサ ートの模様を収録した”ラストワルツ”に参加してい るアーティスト達は僕のお気に入りの人々ばかりです。 (ディラン、ニールヤング、ヴァンモリスンなどなど) できることなら僕もまぜて欲しい! (ちなみに当時の僕は4歳。)
  5. ERIC JUSTIN KAZ/IF YOU'RE LONERY
    ”父親は愛する息子を失った  母親は気づかなかった 僕は冷酷な風に運ばれた”

    海で嵐に巻き込まれた若者と家族をうたったナンバ ー、ゴスペル調の女性コーラスが印象的な”クルー エル・ウィンドウ”で幕をあけるこの作品は、197 2年アメリカで発表された、優しさと切なさが共存 する”うた”が詰まったアルバムです。ちょっと頼 り無げな歌声とピアノの音色、ひとりぼっちの休日 などにふと聴きたくなります。”皮肉っぽくないラ ンディーニューマン”、”黒っぽくなったエルトン ジョン”といったテイストでしょうか?ワーナーの 名盤探検隊シリーズの1枚です。こういう企画は素 晴らしいですね。名盤探検隊についてのページは こ ちらです

  6. VARIOUS ARTISTS/ALL MEN ARE BROTHERS:A TRIBUTE TO CURTIS MAYFIELD
    70年代ニューソウルと言えばマーヴィン・ゲイと並んで、 まずカーティス・メイフィールドの名があがります。 後のアーティスト達にも多大なる影響を与えています。 90年代には再評価の気運が高まり、 国内盤でCDが容易に手に入るようになり、 その機会に初めて実際にカーティスの音楽を耳にした若者も多かったのではないでしょうか? (僕もそうでした。) そんな空気の高まっていた、 1990年。野外コンサートのサウンドチェック中に、 事故にあい、首を負傷し、病院にかつぎこまれた、 カーティス・メイフィールドは、 再起不能とまで言われ入院生活を余儀なくせられます。 ここで紹介するのは、そんな彼を、 経済的、精神的に援助するために企画されたトリビュートアルバムです。 レニー・クラビッツ、ホイットニーヒューストン、 ブルーススプリングスティーン、スティービーワンダー などなど顔ぶれも豪華です。 トリビュートものは外れも多いですが、これはいいです。 70年代のカーティスの作品の空気とはちょっと違い、 サウンド的にはクリアな透明感のあるトラックが多いのですが、 低音の響きなんかはさすがに90年代ものの強さを感じます。 何よりも病床のカーティスを思うアーティスト達の思いが心を打ちます。 テクノロジーによるクリアなサウンドが、 参加アーティスト達の気持ちと作用しあっていい方に出ているアルバムです。 ちなみに、カーティス・メイフィールドのオリジナルアルバムでは、 ”CURTIS”でしょうか、やっぱり。 なお、偉大なるカーティス・メイフィールドは99年12月逝去されました。
  7. VARIOUS ARTISTS/TOWER OF SONG:The songs of Lenard Cohen
    レナード・コーエンという、地味で濃いおっさんへのトリビュートという渋い企画です。 参加アーティストも、スティング、トーリー・エイモス、スザンナ・ベガ、ビリージョエル、 などなどでこれもまた渋いです。 でもこれは、本当にいいです。 参加アーティストがそれぞれの色を上手に出しながら、 全体としてひとつの世界を醸し出すというトリビュートにおいては、 当たり前のようでなかなかできないことが、 この作品では実現されています。 詩を(あえて詞とは書かない)読みながら、 聴いていると、ふと入った街外れの映画館で、 良質のヨーロッパ映画(ハリウッドではなく)に出会ったような気分がします。 (このアルバムの中でU2のボノがカバーしている ”ハレルヤ”という曲はあのジェフ・バックリーもファーストアルバムで取り上げていましたね。)
  8. TOM WAITS/CLOSING TIME
    1973年に発表された、ファーストアルバムです。 ふと訪れた酒場でこんな人が歌っていたら素敵だろうな。 それ以降の作品ほどジャズ色もまだそんなに強くないのですが、 やっぱりファーストから既にこの人には夜の匂いがしみついています。 ピアノ、アコースティックギター、ウッドベース、くすんだ音色のトランペット、 これをBGMにすると無性に一杯やりたくなるのは僕だけではないはずです。 この人は、最近では声を潰してものすごいことになってしまっていますが、 このアルバムの声は”ややかすれ気味”という感じで聴きやすいです。 (トム・ウェイツは、ジム・ジャームッシュの映画でも活躍していたので、 知っている人も多いのではないでしょうか?)
  9. GERORGE HARRISON /THIRTY THREE &1/3
    言わずと知れた元ビートルズのあの人が、33歳と4ヶ月の時に発表した作品です。 ”オールシングスマストパス”や”バングラデッシュ” は定番なので、ひねくれてこんなものを推してみます。 なんとこのアルバムは意外に黒っぽいのです。 特に1曲目"Woman Don't Cry For Me"はやけにファンキーで、 えっ?これってジョージ!?と驚いてしまいます。 (ベースが格好いいんですよ、特に。)もちろん線の細いボーカルは健在だし、 ソングライティングも、スライドギターも期待通りです。 バックのサウンドも充実しています。 特にキーボードには、デビッド・フォスターや、 ビリー・プレストンが起用され、無駄なくセンスの良いプレイがおさめられています。 "Abbey Road"でビートルズにシンセを初導入したのは、 そう言えばジョージだったことをふと思い出しました。 (ちなみに我々の世代は、”セット・オン・ユー”で、 ジョージ初体験の人がけっこう多いようです。 久々に”セット・オン・ユー”を聴いてみたけど・・・。 うーん、どうなんだろう、これ?)
  10. 早川義夫/この世で一番キレイなもの
    この人の作品ではもちろん、 ”かっこういいことはなんてかっこう悪いんだろう”も外せません。 更に言うと著書”ラブ・ゼネレーション” (キムタクは出てこないぞ)も外せないです。 ジャックスでの活動、ディレクターとしての活動、ソロを経て、 早川義夫はいったん音楽業界から離れ、本屋を開業し、 長い長いインターバルをおいての復帰作がこのアルバムです。 その声はもうおっさんになっているのですが、逆に、 凄みがまし、深みがまし、素晴らしいです。 早川義夫自身が淡々と弾くピアノに加えて、 年期の入ったおっさん達がバックを固めます。 (梅津和時氏のサックスいいですね。もちろん他の方達も。) 1曲目の”この世で一番キレイなもの”は、じわじわと泣けます。 最後の曲”いつか”は、グサグサ刺さってきます。両方とも、 歌をうたう人は一度は聴いておいた方がいい気がする曲です。
次の10枚| 目次にもどる| トップページへ| メール


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ