完成したら


  1. ジャケット・歌詞カード
    ジャケットと歌詞カードは是非つけましょう。 ”聴いてくれる人”に対しての気遣いですし、 自分達の作品をよりよく分かってもらう手助けにできます。 ライブでは意外に歌詞は聴いてもらえません。 デモテを聴いてもらって、 ”へー、こんな歌詞でうたっていたんだあ!” なんて言われることもあります。 ジャケット&歌詞カードを作ってくれる業者さんもありますが、 どうしても利用しなければならないというわけではありません。 自分達の手で一枚一枚コピーするのもいいものです。 (コピーはたとえ白黒でもカラーコピー機を使った方がいいです。 びっくりするくらいインクの写りがいいです。) デザインは自分達でやってもいいし、 そういうのが得意な人が周りにいれば依頼するのも手です。 この機会にバンドのロゴや、 マスコットキャラクターを作るのもいいでしょう。 ”これを見るとあのバンドを思い出す” というものが出来るといろいろこの先便利ですよ。 もし、周りで”カメラマンになりたい”なんて人がいたら、 写真をとってもらって使うのもいいと思います。 ただし、 ”もう!あたしの写真にとやかくいわないで。” とかいうことにならないように事前に、 ”ジャケット用に、こういう写真が必要なんだけど” ということは伝えておきましょう。 同様に、パソコンなどで処理をする予定のあるときも伝えておきましょう。 でも本当にちゃんと写真やっている人の写真って、 素人とは全然違うものですよ。
     やり方はいろいろありますが、 自分達らしさが”聴いてくれる人”に伝わるように工夫しましょう。 それと、連絡先は必ず書いておきましょう。 誰の手に渡るか分からないですからね。 (友達の友達の親戚がディレクターさんかもしれないですよ。)

    *最近は個人情報を悪用するような犯罪が世に増えたせいか、自分の情報を書くことに抵抗のある方も多いかと思います。そのせいか最近のデモテープには「メルアドのみ記載」というものも目に尽きます。ただコンタクトを取りたいと思った時に「メールを出しても返事がない」というケースは大変困ります。メールアドレスを記入するならば、細めにチェック可能なアドレスにするべきでしょう。また、資料や音源を送ったり、書面でコメントをしたい時など、やはり「住所」はあった方が便利です。とはいえ女性でソロ活動されている方などは住所まで明らかにするのは不安を感じるというのも解ります。そういった場合、例えば、無料で持てる私設私書箱『MyLetter.jp』のようなサービスを利用するのもひとつの手かもしれません。

  2. プレス方法は・・
    できあがったマスターはコピーしなければいけません。 一番簡単なのはお金を出して業者さんにコピーしてもらうのが、 いいでしょう。 CDプレスと、 ジャケット&歌詞カード&パッケージまでやってくれるところもあります。 ただCDプレスは最低100枚で**万円から・・なんて、 ちょっと気楽に頼める額でなかったりもします。 もしパソコンを持っていたら、”CD-Rで一枚一枚焼く”、 というのもよいと思います。 (ここを見ているということはみんな持っているのかな?) でも、カセットマスターだったら、 ダブルデッキで1本1本ダビングしてもいいと思います。 もちろんCDの方が立派ですが、 最初のうちはテープやMDでもいいと思います。 まあ、結局は中身だし、 CDにすると単価が高くなってしまって、売価も高くなるので、 ”いやあ、買ってあげたいんだけど、お金なくってさあ・・” なんてことになって、 せっかくの”聴いてくれる人”を逃すことになります。
     業者さんに頼むのもいいですが、 自分達でダビング作業をすると、 過剰在庫を持たずに済みます。 売れ行きをみて増刷すればいいんですから。 使うテープやMDは大手メーカーのモデルチェンジものが、 よくセールになっているのでお勧めです。 (どんなデッキでも聴けるという点ではノーマルテープがいいです。) でも、安いからと言って”怪しいやつ”は(特にテープは)避けましょう。 音が悪くなるのももちろんだけど、 ”聴いてくれる人”に対しても、 明らかに”怪しい”と分かるやつは失礼ですし。

     また、CD-Rを使用する場合にも、秋葉原の店頭あたりで陽の光をたっぷり浴びている台湾製の激安物などは、せっかく買ってもエラーだらけで使い物にならない可能性も高いです。僕も変にディスク代をケチって、痛い目に会ったことがあります。それ以来僕は、日本製で信頼度も高い「太陽誘電のCD-R」を使うようににしています。ネット販売などを利用すれば、かなり安く手に入れることもできます。スピンドル(ケース無し)のものを買えば更に安く済みます。盤面印刷のできるプリンターを持っている人はプリンタブルのディスクを買うといいでしょう。プラケースは持ち運びや保存の場所を食うので、プラケース無しのデザインにして「不織布」や¥100ショップで売っているB5くらいのビニールケースに入れる人も増えています。

  3. お金は貰っていい
    ついに全てが完成! できあがったデモテを人に聴いてもらうときが来ました。 是非お金を貰って”売って”下さい。 高い金をとることはありませんが、闇雲にタダで配るのはやめましょう。 (もちろんオーディションや売り込みの場合は除きますが。) 0円で配っていたら、もちません。 少なくともテープ代だけでも、赤字が累積していきます。 ひとりにつき”たった100円”ずつ売る側が負担しても、 100人で10000円です。買ってくれる人にとっては、 たった100円でも、 売る側とっては累積すれば大変な金額になります。 ここで資金がつきて活動休止、 なんてことになったら全く意味がありません。 ”ライブに来てくれた人に限ってタダ!” というようなサービスはいいと思いますが、 ”いいよ、いいよ”でタダで配るのは避けた方がいいと思います。 それに”タダで”というのは甘えが出てしまいがちになります。 ”これやるよ、テキトーに時間あるとき、きいといて。” と言うのと、 ”お金を払っても損はさせないものを、作ったから買って下さい。” と言うのでは”聴いてくれる人”の印象も違います。 どっちがちゃんと聴いてもらえるでしょうか? そのかわり、 ダメだったときの感想は、 ”売った”ときの方が厳しいものだと思います。 (それが勉強になるんだけどね。)
     ここまで幾多の試練を乗り越えて、 やっと完成させたデモテです。 機材代、スタジオ代、それなりにお金もかかったはずです。 お金を貰って恥ずかしいことなんかありません。 胸を張って売りましょう! (でもいやがる人に売りつけるのは御法度ですよ。)

     ただアマチュアミュージシャンの活動形態をいろいろと考えてみると、なかなか販売のしづらい状況も多いかと思います。そういった場合は販売用とは別の「サンプル版」を用意するのもいいかと思います。「サンプル盤」は、曲数を少なめにして、無料配布。「正規盤」は曲数も多くして、ジャケットやケースなどにもキチンとお金をかけたものにするのもよいかもしれません。

  4. 感想を貰おう
    ”聴いてくれる人”はどう感じてくれたでしょうか? 是非感想を貰って下さい。 すっごいドキドキする瞬間です。 ”よかった”という意見を貰ったときは本当に嬉しいものです。 きっと大部分の人は好意的に受け止めてくれます。 人によってはとっても厳しいことを言う人もいます。 でもそれは、これからに期待してのことですから、 今後の活動でそのハードルを乗り越えればいいだけですから、 ありがたく受けとめましょう。 (でも、悲しいことだけど、ほんの希に、ただ悪意で批判的なことをいう人もいます。 人を傷つけることでしか自分の存在を示せないんでしょうか? それは交通事故にあったんだとでも思ってすぐに、 忘れて下さい。気にしすぎることはありませんよ。)
     そして是非とも、この機会を利用して、 今まで聴いてもらえてなかった人にも聴かせて下さい。 ”ライブハウスまで行く”というのは、 忙しい人にとって本当に大変なことです。 それに”そういう場所はどうも・・”という人もいます。 一般の友人、バイト先や職場の人、 親や親戚にも是非、 ”一生懸命作ったんで買って下さい!”と言ってみましょう。 音楽をやっていると仲間うちで固まってしまいがちですから、 考え方が”音楽人モード”になる傾向があります。 一般の人の意見をきく機会がなくなると音も閉鎖的になりがちです。 普段は音楽なんか聴かないおっさんやおばさんの意見も面白いものですよ。 ”アホか〜”と思うようなことをいう人もいますよ。 きっと、 みんな、”イコライザーが・・”とか”ライン録音は・・” なんてことは考えもせずに聴いてくれるんだと思います。 でも、気づいてもらえなくても、 たかがテープ1本にそこまでかけたあなたの情熱はきっと伝わりますよ。
    そう、だから、今度こそは、

    絶対に聴いてもらえます!!

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