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  1. レコーディングスタジオなんていらない
    ”いい音のデモテを作るのは素人には無理なんでしょうか? エンジニアの人に録ってもらわないとダメですか?” いいえ、そんなことはありません。 よくレコーディングスタジオの広告で、 オールナイト8hパックで*万円!なんてのがありますが、 初心者の段階では必要ありません。
     レコーディングのポイントを知らずして、 オールナイトパックなどを利用しても、 時間と金を浪費し、エンジニアさんに迷惑をかけるだけで、 ”一応録るだけ録ったけど・・” というイマイチなものしか作れません。 初心者が8hばかりでいい録音を完成させるのは、 至難の業です。 ”ああっ、あと30分だ! 何やってんだよ!早くボーカル録らなきゃ!” 朝も白々明けゆくAM5:00。せかされながら素人ボーカルが、 ”あ〜延長するといくらかな・・?それにしても眠い・・” などと考えながらうたったっていいものになるわけがありません。 立派なCDが作れたとしても、人に聴かせる度に、 ”いやあ、この時は調子が悪くてさぁ、ははは。” などと言わなければならないのは辛いものがあります。
     音楽やっているとなにかと支出は多いもの、 無駄な出費は抑えましょう。どうせ、*万円も使うなら、 MTR等を購入して自分達の力で納得いくものを作るところから始めましょう。 その過程でレコーディングのツボを体感して覚えてゆくことが、 将来的にレコーディングパックを上手に利用する実力を養うことになるのです。 レコーディングスタジオでのレコーディングでいいものを作るには、 エンジニアさんに、的確にこちらの要望を伝える必要があります。 一応、エンジニアさんは専門的に勉強をしている人ですから、 基本的には大抵のジャンルに対応できるはずですが、 人間ですから、どうしてもバンド側と音の好みが違う場合もあります。 実際に卓の操作をするのはエンジニアさんですから、 よほどちゃんと意志を伝えないと ”思ったのと違う!”ということになってしまいます。 ”自信を持って方針を伝える”ためには、 レコーディングのなんたるかを自分達がしっかり知っておかなければなりません。 そのためにも、 しばらくは”自分達の手でレコーディング”をすることをお勧めします。 基本をしっかりと抑えていれば、素人でも、 それなりにいい音のデモテが作れますよ。
  2. プロデュースって何?
    それぞれのアーテストの特性に応じながら、 音源の制作や、宣伝、販売等を、 行っていくことが”プロデュース”です。 自分達で録音を行おうとする場合には、 どうしてもこの”プロデュース”という感覚を持ち続けなければいけません。 ”自分達のどういう部分を、どういう人に、どうやって伝えるか。” 結局これも、”聴いてくれる人の立場にたつ”ということなのです。
     ただ漫然と録音を進めても決していいものはできません。 レコーディングにかかる前にある程度の方針は固めておきましょう。

    • 自分達のアピールしたいポイント
    • どんな人にきかせたいか
    • そのデモテをどう使うか?(オーディション用か、販売用か)
    • いつまでに完成させるのか
    • 予算はいくらぐらいかけるのか

    ソロの人も勿論ですが、 特にバンドの場合は日程と、 金額の相談は充分に事前に行う必要があります。 なんと言っても、 ”時間と金”の問題が一番人と人の信頼関係を壊す要因になりやすいのです。 せっかくのデモテ制作で意見が対立して、 レコーディング中にメンバー脱退なんてことになったら元も子もないですすから。
     それから、忘れてはならないのが、

    • どのようなサウンドにしたいか

    という項目です。 これは、楽器や、録音方法の選択に関わる問題ですので、 録りの前に決めておく必要があります。 例えば”ラルク・アン・シエルのような感じの音”と、 ”ゆずみたいな感じの音”では録音方法も変わってしまいます。 ゆずみたいなオケが出来てから、 ”俺はGLAYになりたかったのに!”と言っても後の祭です。 まあ、ただ、サウンドに関しては、 ”**みたいに”というのもありですが、 録音しながら、 研究を重ねてオリジナルなものを模索するというのも、 いい方法です。 でも相当の根気と時間がかかりますので、 メンバー間の意志統一が重要になります。 ”昔っぽく”とか”宇宙っぽく”とか、 ”安らぐ感じ”とか、テーマくらいは決めておいた方がいでしょう。 それでも、聴いた人が”何がやりたいか分からない。” などと思わないように、最終的にはプロデューサー的視点で、 決断をしていくことが必要でしょう。
     ここで充分にプロデュースの計画を練っておくことが、 これからの作業をスムーズにします。 小室やつんく、ベイビーフェイスにでもなったつもりで、 じっくりと自分達の目指すところを考えておきましょう。

    プロデュースということに関連して、参考になる本を紹介しておきます。 「ミュージシャンになる方法」 です。似たようなコンセプトの本はいろいろありますが、この本が一番ミュージシャンのことを親身に思って書いてある感じがしました。非常に具体的でしっかりとしたいい本です。是非読んでみて下さい!

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