ボーカリスト志望の方へ


このサイトを立ち上げてから、頂いたメールの中で、 自分では曲を作ったりしないけれども、 歌をうたっていきたいといういわゆる”ボーカリスト志望”の方からの相談が意外に多かったです。 僕自身はいわゆる自作自演のシンガーソングライターですので、 半分は”楽器演奏や曲作り”といったバンド系の環境で育っていますが、 もう一方で、”歌をうたう”ということに関しても、長年いろいろな経験をしてきましたので、 多少は語れるかと思い、ここにまとめておくことにしました。参考になれば嬉しいです。
  1. ボーカリスト志望の方のデモテープ
    >わたしは浜崎あゆみや安室奈美恵のような歌手になりたいのですが、
    >どういうデモテープを作ればいいのですか?
    >スタジオとかで録音しないとダメなんですか?
    
    ボーカリスト志望の方のデモテープで、まず重要なのは、 ”声質や歌のうまさや個性が伝わるものである”ということです。 つまりは、”ボーカルがきれいに、録音できればいい。”ということです。 そうするとカラオケボックスでもOKです。 (最近は録音のできるお店もありますよね。) ただし、マイクだけは良いものにしたいところなので、 MYマイクを購入するのも良いかも知れません。
     カラオケボックスで録音するときの注意としては、
    *エコーは抑え目に(どういう声かが相手に伝わるように)
    *選曲は”いかにも”でない方がよい。
    (例えば、浜崎あゆみを歌う女の子のデモテープなどは、
    レコード会社の人は聴き飽きている可能性が高いです。)
    
    最近、カラオケで録音するにはどうすればいいの?という質問が多いのですが、少し困っています。基本的には録音機器を備えているお店に行くのがいいと思います。僕の記憶では例えば「カラオケ館」などが録音できたと思います。もしくはMDラジカセ&コードでも買って持っていきお店の機械と繋げてみるとか。それ以外には「はじめに」のページでも紹介したローランド「R-09」のようなレコーダーを購入し、「自分の耳で聞いてバランスよく格好よく聞こえる場所」にこのレコーダーを置き、レベルを適切にセッティングして録音するという方法も有効です。このレコーダーはMTRのような難しい操作は必要なく、USB端子を使って直接パソコンにファイルを取り込めるので非常に便利です。最近の僕のお気に入りで、僕自身もよく使っています。工夫次第でいろいろな方法でカラオケなどでも充分デモテープの録音が可能です。

    でもこれ以上の質問は勘弁して下さい。それぞれの地域の状況や機械の種類はそれぞれ違うことです。だから「**県**市で録音できる店は?」とか「どの端子に何を差せばいいんですか?」などの具体的な細かい質問については僕は答えられません。僕にメールを送るよりも自分の地元のカラオケ屋を巡ってみたり、「録音したいんですけど、どうしたらいいですか?」などとお店の人に相談するのがいいと思います。 ネットのむこうの得体の知れない人に向けてキーボード叩くよりも、自分の近くにいるお店の人と直接やりとりしてみたり、自分の足を使って行動してみましょう!いざあなたが動き出した時にいろいろ力になってくれるのはそういう人達です。対人の能力や、自力での問題解決能力もプロには必要な要素ですよ。

    既存の曲で勝負する場合、”選曲&うたの解釈”は大事です。 ”18歳の女の子がこんな曲を知っているなんて!”とか、 ”アイドルばりばりのこの曲をこんな解釈で聴かせてくれるなんて!” ”この子の声はマライヤキャリーみたいだな!” なんでもいいから聴いてくれる人に”ひっかかるもの”を 与えてやることが必要です。 例えば久保田利伸は、 スティービーワンダーの完コピをした音で売り込んだそうです。 (本当に実力がなければスティービーワンダーなんてうたいこなせないですよね。) 例え既存の曲でも、一流のアーティスト達は、 それを自分のものとして”表現”をしています。 デモテープではないですが、 椎名林檎は、スタンダードナンバー”君の瞳に恋してる” を思いっきり”林檎節”でうたっているし、 小柳ゆきは、サイモン&ガーファンクルのナンバー ”明日にかける橋”をゴスペル調に解釈して歌い上げてますよね。 ”あなたらしさ”を見つけて表現してあげて下さい。 僕自身は人の曲をステージやオーディションで歌うことはほとんどありませんが、 練習でカラオケボックスに行く機会などがある時は、よく人の曲をうたってみます。 ときどきいろんな”解釈ごっこ”をしてみます。めっちゃくら〜い曲をハッピーにうたってみたり、 アイドルなうたをロックなうたい方してみたり、 バカみたいだけど意外な発見があったりすることもあって面白いですよ。 (最近はパソコンがあれば自宅でカラオケができるサービスもあるようです。

  2. あなたが歌う曲は本当にそれでいいの?
    某オーディションで目撃したとある女の子の話です。 その子は、容姿もなかなか綺麗で、ダンスも上手でした。 彼女が歌唱審査で歌った曲は”小柳ゆき”の曲でした。 ところが、一番聴かせどころであるサビの部分が全然、 音が届いていませんでした(”トゥ〜ハ〜〜〜トォ・・・”って感じ)。 ねえ、声が届かないんなら小柳ゆきなんて止めとかない? 自分の下手さをアピールしにきたんじゃないでしょ? 歌のうまさはキーの高さじゃないですよ。 ”トレイシーチャップマン” なんて男みたいに声低いけど歌声は本当に感涙ものですよ。 確かに練習を重ねることで(腹筋は効果あり)音域に幅は出てきますが、 現時点で使えない部分で勝負するのはどうなんでしょう? もしあの子がセクシー系の曲を低い声でささやくように歌ってくれていたら、 僕は間違いなく恋に落ちていたのに。興ざめしてしまいました。 意外とバンドなどを経てきていないボーカル一筋の子については、 自分のキーとか声質、容姿に合う曲が何か分かっていない場合が目につきます。 (わたしは違うって人はゴメンなさい。) ただ流行っているからなんとなくではなく、 普段からいろいろな音楽を聴いて、自分に最適の曲を見つけて下さい。
    あまり知られていない曲だと思いますけど、
    私はこのうたの世界が大好きで
    ゆくゆくはこういう空気を漂わせた歌を
    たくさんうたっていきたいです。
    このうたのサビのところで歌われているシーンは、
    まさに自分の人生を変えた、
    大切なある夜の出来事とピッタリと一致しています。
    誰も知らない曲かも知れません。
    でも今回はどうしてもこの曲を歌わせて下さい。
    
    ・・・なんて語れたら格好いいでしょ?

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