インチキ?謎のオーディション(1)(雑誌掲載オーディション編)


あれこれオーディションを受けていく過程では、 ”ひょっとして、これってインチキ?”なんていうものに出会うこともあります。 僕自身の体験談と、某雑誌編集部の方からのコメントでこのページを作りました。 このサイトを見ている方の中には年少の方や、 女性の方もいらっしゃるので、 特に注意が必要です。 頭の片隅にいれておいて下さい。
  1. 具体例〜僕が受けたとあるオーディション
    かつて学生の頃に、某オーディションの返事がきて、 ”おめでとうございます。1次審査を通過しました。 つきましては、2次審査参加料1万2千円を**日までに下記の講座に振り込んで下さい。” なんてことがありました。 なんじゃこりゃ?と思って直接その会社に地図を頼りにアポなしで乗り込んでみました。 辿り着くと、そこはマンションの1室で、 中条きよし系歌謡曲の流れる部屋に人あたりのいいおじさんとおばさんがいました。
    ”ここはね、日本レコード大賞の下部組織なんだよ。”
    ”本当にやる気のある人にだけ受けてもらいたいんだよ。 1万2千円が高いか安いかは、その人のやる気次第なんだと思うよ。”
    ”あのー、合格者はレコーディングができるってあるんですけど、 レコーディングして、それから後はどうなるんですか?”
    と、尋ねると、おじさんは不機嫌になり、 ”ど、どうなるって、君・・・。”
    その後は、
    ”最終予選を通過した人は本当によかったって言って感動するんだ!”
    などと、次第に論理を超越し始めました。 結局、2次は受けませんでした。 あの時1万2千円払って2次を受けていたら僕はどうなっていたんでしょう?
  2. 問い合わせ
    上記の話は、もう5年ほど前のことです。 そのオーディションは某雑誌で見つけたものでした。 その雑誌では、オーディション主催者にむけての”以下に該当する情報は記載できません” という項目に、”いかなる目的でも審査料が必要なもの。”ということを明記されています。 明らかに上記の例は掲載の条件に違反していたのですが、 当時の僕は”どうせ2次受けないから、関係ないや。”と、 編集部に報告をすることはありませんでした。 ところが、最近またも上記の例によく似た手口が、 同じ雑誌に掲載されていたとあるオーディションで行われていました。 今の僕はもう大人ですし、”デモテープ”に関するHPに携わっていることもあって、 今回こそは黙っていることはできず、 編集部に直接電話をして問い合わせをするに到りました。 編集部の方とあれこれと電話でお話しをすることができました。 その怪しいオーディションについては調査を開始してくれるとのことでした。 編集部の方いわく、”掲載にあたっては、充分な審査をしている”とのことでしたが、 僕は”よりいっそう厳しい審査を”と編集部の方に伝えました。 でも残念ながら、 どんなに厳しくしても”夢をかなえたい”と必死にがんばっている奴から、 うまいこと金をまきあげようとする人々は絶滅することはないと思います。 編集部の方々も忙しい中、 必死で審査して下さっていることと思います。 (信じてますからしっかり頼みますよ。) それ以上は結局のところ、”自分で身を守る”ことが必要なようです。 必死でがんばって来たのに、 変なのにひっかかったらこれほどアホらしいことはありませんからね。
  3. 怪しいオーディションから身を守る方法
    ”自分で身を守る”ということに関しての、 同誌編集部の方のご意見です。

    まず、同誌の”さあ、応募、でもここに気をつけて!” という欄には、このようなことが書かれています。

    ★応募後、次のようなトラブルに気をつけて下さい。
    • 要項に掲載されていないのに審査の時になって審査料を請求された。
    • 情報とは関係のないタレントスクールや養成所への勧誘を受けた。
    • 直接情報とは関係のない仕事やオーディションの情報を電話や通知によって勧められた。
    • 合格後、撮影料やパンフレット代、CD作成費用などを請求された。
    • 合格後、賞金や待遇、仕事内容が記事と違っていた。
    〜本誌の情報は、読者のみなさんの立場に立って、取材編集していますが、 万が一掲載された情報に関して上記のようなことがあれば、 至急編集部までご連絡下さい。
    ここまでは、同誌に掲載されているものをそのまま、 引用したものです。さらに、上記の内容に加えて、電話でのやりとりの中で、 編集部の方は、 以下の点についても注意するように教えて下さいました。
    • 疑問が生じた場合はささいなことでも全て必ずきくこと。 その際にキチンとした答えがかえって来ないところは怪しい。
    • 年齢の若い応募者の方(例えば高校生や、もっと若い子など)は、 ”自分ひとりで”とか”お友達同志で”乗り込んで行って問い合わせをするのではなく、 ご両親や信用のできる大人と一緒に行くこと。 (子供だけだとなめられたり、うまいこと言いくるめられることもある。)
    • 例えば、プロダクションだったら、どんな所属者がいるのか調べること。 自分がもし契約してからどんな仕事をすることになるのかの、おおよその目安になる。
    お忙しい中お答え下さって本当にありがとうございました。 最後に、僕の知ってる某ライブハウスの店長さんの言葉もあえて、ここに載せておきます。 酒を飲みながらこんなふうに語って聞かせてくれました。
    ”いいか、この世にはなあ、おいしい話ってのは無いんだぞ。”
    参考になりましたか?

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